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いい気になってる時が イチバンいい顔してるんだから

「Can do! Can go!」についての個人的な覚書

「Can do! Can go!」には個人的に強い思い入れがある。なぜならわたしはいわゆる「黄金期」と言われていた、ジャニーズJr.が活動の幅を広げ始めたその時代を見ていたからである。

とはいえ当時小学生だったわたしには「ただ単に好きな曲」ということでしかなかった。好きなJr.が前で歌い、踊り、そして後ろに控えるたくさんのJr.たち。圧巻の光景だった。キラキラした色違いやまったくお揃いの衣装を着た笑顔の男の子たち。まさしく圧倒的なまでのアイドルの風景だ。Jr.がたくさん出てきてお祭り騒ぎのようなにぎやかな雰囲気が好きだったのだと思う。

今振り返ってみると、あの曲に囚われてしまった人は、わたしも含め数多くいるのではないかと思う。Twitterでもたまにそんな日を見かける。何かで過去の映像が流れたとか、その曲を耳にしたとか、タイトルを見かけたとか、そういう時に発作のようにこじらせている人もいる。わたしもそんな一人だ。

余談だが果たして今そういう曲があるかと聞かれると分からない。それは「あの曲がどうのこうの」と言いたいのではなく、「あるかどうかが分からない」ということなのでご了承願いたい。何せわたし自身いま熱を入れて応援している人(簡単に言うと「担当」である)も、もれなくその「あの頃」に活動をしていた人だからだ。「ザ・少年倶楽部」をなんとなく見ている程度では、今の状況はよく分からないというのが所感である。乱世だなぁと思うくらいだ。

話が逸れてしまったが「Can do! Can go!」の話である。そもそもなぜこんな話をし始めたかというと、V6が先ごろまで行っていたツアーにて、コンサートのMC中で「Can do! Can go!」の話をしたというレポを読んだからだ。

曰く、V6の持ち曲にもかかわらず彼ら自身が歌うと「どうしてJr.の曲を歌っているんですか?」と不思議に思われるとのことだった。そしてそんな話が定期的に持ち上がっているということもその時に知った。実を言うとわたしも黄金期当時はV6の曲ということを知らなかったので、V6の曲だと知った当初は無知な自分を恥じ入った。毎週のようにJr.が歌って踊っているところを見ていたので、もはや擦り込みの記憶だったようだ。

しかしV6自身はその話について憤るわけでもなく、呆れるわけでもなく、笑って話していたという。「笑ってごまかした」と歌詞にはあるが、そういうことでもないようだ。そんな話もあるよね、程度に思っているのだろうか。腹の内は分からないが、嫌な話になっていないならファンとしては安心する。これから先もV6はもちろんのこと、今をときめくJr.のみんなにも大切な曲として歌い継いでいってほしい。

そろそろ本題に入るが、前提としてわたしの担当は「ふぉ~ゆ~」の福田悠太さんだ。応援するようになったのは2014年からなので日はまだ浅い。しかし自分なりに彼のことを調べたり、過去の映像を見たりしてある程度の会話には困らないくらいのネタは頭の中にしまいこんである状態だ。そして福田さんは「黄金期」と呼ばれていた時代に既にジャニーズJr.としてテレビに出ていた。つまりわたしはその頃から福田さんのことを見てはいたのだが、記憶にはほとんど残っていなかった。まあ「担当とわたし」の話は今回は置いておいて、ふぉ~ゆ~の話だ。

このブログを読んでいる方の多くはご存じだろうが、ふぉ~ゆ~は皆ジャニーズ事務所に入所してから15年以上が経っているベテランたちだ。とくに福田さんは先のジャニーズウェブの大幅なリニューアルによりページが独立した諸先輩方に次ぎ、入所からの年月が長い人だ。つまり彼らは皆、「黄金期にCan do! Can go!を歌って踊っていた人たち」である。彼らのことを「黄金期を知る最後のJr.だ」と称している方もいらっしゃったし、話題に上ることを担当として嬉しいと思う反面、切ないような悲しいような色々な思いが巡ってしまう。

そんな彼らが「Can do! Can go!」を歌う機会があった。それがシアタークリエで毎年4月~6月の間に行われる「ジャニーズ銀座」である。

ふぉ~ゆ~は2013年から毎年単独公演をそこで行ってきた。その公演の間で必ず歌われ続けている曲の一つが「Can do! Can go!」だ。長い間彼らを応援してきた人はもちろん、当時は今の嵐や関ジャニ∞タッキー&翼のことが好きでそこから「降りてきた」人たちにもイントロが流れ出した時点で心に突き刺さっただろうと思う。わたしは後者の立場ではあるが、2014年に聞いた時とてつもない興奮を覚えたことは記憶している。しかしその年は歌うだけで踊ってくれなかったのだ。それが非常に残念でならなかったが、色々事情もあるのだろうと公演から2ヶ月くらい経ってからやっと諦めがついた。我ながら諦めが悪い。ちなみにそれがわたしにとって初めてのふぉ~ゆ~クリエだった。

そして2015年のクリエ公演は最終日まで歌うことは無かった。2014年では「今の僕たちにぴったりなんです」、「僕たちの曲みたいなものです」と語っていたのに、1年間で心動くようなことがあったのだろうかと思っていた頃のことだった。

そのイントロが聞こえたのは、最終日の、しかもダブルアンコールだった。

興奮が爆発したふぉ~ゆ~ファンの黄色い歓声が会場内に響き渡った。あれは歓声というか叫び声に似たものだったのかもしれない。わたしは驚いて声も出なかった。「まさかここで」、「このタイミングなんて」、と会場内を走り回りながら歌う4人(厳密に言うと福田さん一人)の姿を見つめながら言い知れぬ興奮が胸から湧き上がっていた。大好きな曲を大好きな人たちが歌う感動とは、こうもたまらないものなのか、とペンライトを強く握りしめるばかりで、まともな表情なんてしていなかったと思う。実際に泣きはしなかったけど、心の中は大号泣だった。心が大波を立てていたところで、さらに堤防が決壊することが起きた。

踊ったのだ。一番最後のサビだけではあったけど、ふぉ~ゆ~はあの時の振りのまま、ステージ上で踊ってくれたのだ。

声にならない叫び声が上がって、目頭が熱くなった。そして「ずるい」と思った。誰がこのタイミングでこの曲をやろうといったのかは分からないけれど、その人は天才的な空気の読みっぷりだし、そしてわたしは2014年のクリエと比べると段違いに4人のこと(というか福田さんのこと)が好きになっているので、胸がぐっと詰まる感覚も1年前より苦しかった。

自分のTwitterを探したらこんなことを言っていた。まさしくその当日のつぶやきなので、これがその時のリアルな感情だ。

あの瞬間はただただ興奮と感動が込み上げるばかりでうまく言葉にはならなかったけれど、その理由はまさしく「「Can do! Can go!」でこんな感情を引き出せるのは、ふぉ~ゆ~しかいないから」だと今は思う。そう言うと語弊が生じてしまいそうなので、あくまでわたし個人は、という注釈を付け加えておきたい。曲への思い入れは人それぞれだ。各々の感情は尊重させていただきたい。

「あの頃」のことを知っていて、「あの頃」も前のほうに居たことがあって、そして「今でも」ジャニーズJr.として活動している4人組。そして4人とも同じような経験をしているというのが個人的には胸に迫る、何か、がある。その何かは色々が綯い交ぜになっていて、その長い年月の中の経験を振り返ったり、おそらく4人とも一度はあっただろう人生の決断のことを勝手に妄想したり、そして今このステージに立っていてくれるという感謝であったり、またその日は「月末にお知らせができる(=「壊れた恋の羅針盤」にて初主演決定)」が発表されたこともあり、この先への期待が出来る喜びであったり、そういう思いが詰まっている何かである。

今の僕等の年令が
あの頃は 大人に見えた
だけど 大してなにも
変わっちゃいないよね

だから 怖がらないで
誰だって きっと同じさ
君の夢は 必ず 輝くから

あきらめることなら
いつでもできる時代さ
だけど僕は
君に逢うまで あきらめない

上記はいわずもがな「Can do! Can go!」の歌詞の引用だ。青春の恋の歌のはずなのに、どうしてかアラサージャニーズJr.のふぉ~ゆ~にもぴったり当てはまってしまう「Can do! Can go!」という不思議な曲。先輩の曲を歌うというのは、基本的にJr.にしか許されていないことだ。デビューすると色々大人の問題があって、なかなか歌えないように感じている。だから今のジャニーズJr.にはここぞとばかりにたくさん歌って踊ってほしいと、懐古厨であるわたしは思って止まない。

ふぉ~ゆ~にもこのクリエ公演の後、彼らだけの歌というのが2曲*1用意された。それは今いる立ち位置からの脱却に近付いているということなのかもしれないが、ゆっくりでも明るい未来に進んで行ってくれているとならわたしはそれで良いと思っている。4人で歩幅を合わせてくれたらそれで良い。そして時折この曲の存在を思い出して、たまに歌って(なおかつ踊って)くれると嬉しい。

さあ、新しい世界へ行こう!

*1:「どしゃぶりヒーロー…Always ふぉ~ゆ~」、舞台「壊れた恋の羅針盤」のテーマソング(正式タイトル不明)